1. 調査費用とは
これは読んで字の如く「調査にかかる費用」または「調査依頼のための費用」を指します。
1)調査費用の内訳
① 調査にかかる「実費」
最近は「体勢」「人員」「車両」に対して「時間制」で徴収することが多いです
② 調査依頼の際の「基本料金」
これは「探偵事務所によってまちまち」です。
いわゆる「契約するための費用」であり、①の実費とは「別に発生」することが多いものです。
金額は多いところで「10万円〜12万円」少なくとも「5万円〜8万円」発生する事が多く見受けられます。
③ 調査にかかった「実費経費」
例えば「タクシー代」や「駐車場の費用」「報告書作成費用」「写真代」などがよく聞かれます。
ただ、悪質なところでは「〇〇市から調査に向かうので」という名目で「前の他の依頼者の調査からの移動費用」も発生するように「小さな字で契約書に記載」している事があります。
契約書の内容は、確かに「契約自由の原則」というものがあるため「よほど社会通念上受け入れられない程度のもの」または「明らかに違法なもの(法律に明文化されているもの)」をのぞいて「契約内容が優先される」のが「大原則」であるので、「必ず契約時に確認」するように努めてくださいませ
なお、「今日契約しなければ〜」また「今日契約すれば割引が〜」というのは、昔から探偵事務所に関わらず「詐欺業者の典型的な手法」ですので、「元々詐欺行為をしている連中」の可能性が高いため、「契約を急がせる探偵事務所」とは契約しないようにご注意くださいませ。
2)適正な調査費用
ここでいう「適正値」は、あくまでも「過去の裁判結果」つまり「判例」において「損害賠償で取り戻せた金額」の事を指します。
また、判決文の中で裁判官が「適正な依頼であり、かつ、損害として認め得る金額」と明示したもの「のみ」を掲示します。
※なお、下記裁判記録については、「当事者のプライバシー保護」のため「仮名」または「イニシャル」等で表記しております。
また、民事裁判の記録については、「憲法第82条 裁判の公開の原則」ならびに「民事訴訟法第91条第1項」により「誰でも」閲覧可能です
1)調査費用の「全額」を「損害賠償として認める」判例
①東京地裁 平成28年2月16日
原告が平成25年1月に「不倫相手」名義の賃貸借契約書を発見し、配偶者に相手との関係を問いただした際、「配偶者は不倫相手との関係を認めず」、原告は「平成26年2月」に「配偶者と不倫相手の不倫関係」について調査を「行わざるを得なかった」。
したがって「調査費用相当額である 372,000円(以下、中略)は、不倫相手の不法行為と相当因果関係があると認められる。」
②東京地裁 平成28年11月30日
原告は、配偶者の行動からその不貞を疑ったが、配偶者がこれを否定したため、やむなく興信所に調査を依頼したものであり、その結果、「○○」がその相方であることを突き止める事ができたのであるから、そのために原告が興信所に支払った費用は、不倫相手の不法行為と「相当因果関係がある損害」というべきである。(中略)
原告は、興信所に「777,600円」を支払ったこと、調査は「2日間にわたって行われていること」が認められ、同学は「不相当に高額とまでは言えない」から、不倫相手は原告に対し「その全額を賠償すべきである」
3)一部不適切な調査費用
①東京地裁 平成29年4月27日
原告は「調査費用として3,044,609円」を要したと主張する。たしかに、原告が提出する写真や精算書(以下、中略)によれば、原告が本件調査を依頼し、配偶者と不倫相手の関係について写真撮影がされたことは認められるものの、本件調査を「依頼した時点」においては配偶者と不倫相手は再会しておらず、不倫相手との関係で「平成27年1月から調査が必要であったとは言えず」、「どの様な調査が行われたかも内容が不明」であり、「その支払いも原告において行われたかは不明」。
これらの事情から考えると、本件不貞行為と「相当因果関係がある調査費用」を「200,000円」と認めるのが妥当である。
「調査費用」を「慰謝料増額や損害賠償」で取り戻す「唯一の方法」とは